【協議会のイベント_動画付き】クラフトエッセン協議会が主催するアヒル肝臓由来の細胞培養食品に関する官能評価会
アヒル肝臓由来の細胞培養食品の試験生産と試作品の開発
細胞培養食品は、食料資源の逼迫が懸念される中、新たな食品素材の選択肢として国内外で関心を集めています。
クラフトエッセン協議会の会員企業であるインテグリカルチャー株式会社及び協賛企業は、農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)の支援等を受けて、アヒル由来の細胞培養食品(いわゆる培養肉)の研究開発を進めてきました。昨年の夏、アヒル細胞を用いた細胞培養食品の生産ラインの整備が完了し、食品用素材としての試験的な生産を開始しました。
さらに、この細胞培養食品を素材とした食品の開発にも取り組み、この度、レストランメニュー(4品)及び加工食品(3品)の計7品の試作品の開発に成功しました。
試作品(レストランメニューと加工食品)の紹介
レストランメニューは、おもてなしの意味を持つ、前菜の前に提供される一口料理「アミューズ」を意識した「楽しくて、明るい」をテーマにした試作品です。
なお、今回のメニューでは、細胞培養食品の旨みや香りを引き出すため、原料全体の30%程使用しており、各々の特徴は以下の通りです。

加工食品は、細胞培養食品に関心を持たれる方々に広くご賞味いただくため、冷凍状態で流通する前提で試作品を開発しました。
加工食品についても細胞培養食品の旨みを感じていただけるよう、原料全体の20%台半ば~80%程使用しており、各々の特徴は以下の通りです。

クラフトエッセン協議会による官能評価会
2025年2月18日、アヒル由来の細胞培養食品「クラフトエッセン」の上市と社会受容を進めるために設立された「クラフトエッセン協議会」が主催し、上記の試作品の市場性を確認するため、開発関係者による官能評価会を開催いたしました。
細胞培養食品の開発に取り組んできた方々(約30名)に7品の試作品を食していただき、味や香り、舌触り、あと味などを評価していただきました。
また、官能評価の終了後、レストランメニューを手がけたシェフと評価者との交流会も行い、細胞培養食品の特徴や試作品開発の方向性などについて活発な意見交換が行われました。
今回の官能評価会で、アヒル由来の細胞培養食品「クラフトエッセン」の新たな食品素材としての可能性は確認できましたので、今後、更なる商品開発に取り組むとともに、市場性の検討を進めてまいります。
評価者のコメント
- 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 中川 敦(取締役)からのコメント
カルネットコンソーシアム内で当社が開発した足場を用いた細胞培養食品が、シェフの手による美味しいメニューや加工食品として食する事が出来たのは感慨深いです。独特なクリーミー感は濃厚でとても美味しく、ワインと共に食したいと思いました。細胞培養食品に新たな食品素材としての可能性を大いに感じる官能評価会でした。
- 住友理工株式会社 巽 聡司 (ライフイノベーション事業室 室長) からのコメント
レストランメニューはどの料理もなめらかな舌触りで、デザートやお菓子の中に旨味を感じるような、今までにない感覚を楽しむことができました。また、加工食品にはより動物性の旨みの存在感があり、食素材として様々なメニューに展開できる可能性を感じました。今後、培養技術の進展とともに、社会実装に向けた検討が進むことを期待しております。
- UBE株式会社 大矢 修生 (みらい技術研究所 所長) からのコメント
レストランメニューは、培養食品ということを知らなければ分からないくらい普通の料理として食することが出来ました。いずれも美味しかったです。 舌触りが非常に細やかなこと、残り味に嫌味が無いのが印象的でした。逆に、加工食品は細胞培養食品であることを強く感じました。既存の食品に寄せた商品ではなく、培養食材の特徴を生かした目新しい新商品を開発することを期待しています。
【本件に関する問い合わせ先】
クラフトエッセン協議会 事務局
担当:波多野
Email:info@craft-essen.com